【社会】描くことから知る自分の特性~発達障がいってどんなもの?~

「生きやすい社会を〝共に〟つくるために」

9月最初の日曜日、大通のスターバックス南1条店にて、札幌オオドオリ大学の授業「描くことから知る自分の特性〜発達障がいってどんなもの?」が開催されました。 講師は「アトリエペン具&ペングアート」の卜部奈穂子先生。アトリエペン具はアート活動を行う児童デイサービスで、ペンと絵の具で〝ペン具〟です。 授業は一つの大きな机を先生と参加者皆で囲んで、お互いの顔をみながら。自己紹介の後、まずは卜部先生からお話を伺いました。

「発達障がいとは?」それに対する説明は、“脳のタイプの違い”。みんなそれぞれいろんな性質のピースを持って生まれてきている。その中で、今の社会で生きづらさが起こりやすいピースを多めに持っている人が発達障がいを持つ人と呼ばれている。けれど、あくまで障がいは社会が決めること。“生きづらさがあるから障がい”という先生の言葉が印象的でした。 生きづらさを感じる機会が多い人達にこそちょっとずつでも、その人に合った形でチャレンジをして、達成感、そして自己肯定感を感じてほしい、卜部先生はそう考え、アートガイド(創作手順書)というものを作りました。

授業では実際に、そのアートガイドを参考に、画用紙に描かれたTシャツにオリジナルのデザインを描いていきました。そして自分の特性をみつめてみます。

アートガイドには、〝自由に思うように描いてOK〟でも、それが難しいと感じる人には、〝虹の絵を描いてみましょう〟や、真似して描けるように袖に色を塗った絵や柄の例なども。真似をしてそのまま描いてもいいし、少し参考にして変えてもいい。出来ないと諦めてしまうのではなく、利用できる支えは活用して、「やってみよう!」と探求する気持ちを大切にしています。

後半は「自閉症の方たちの気持ちを詠んでみようカード」の中から自分に思いあたるカードを一枚ずつ選んで皆で発表していきました。「悩みます基準がはっきりしないのは」「目にみえない 相手の気持ちはわからない」などなど。そして自分の中にある“生きづらさのピース”を言葉で理解することで、ではどうしたら解消できるのか?を考えたり、話しあったり…。

お互いのことを話しあうことで、自分だけの悩みではないことがわかります。そして解決法を考えることは他の人の生きやすさにも繋がっていくことにも気づかされました。 仕事や生活など〝まち〟で共に暮らす人同士が、お互いに生きやすい社会を共に作っていけるように。〝誰もが住みやすい街を一緒に目指しましょう〟。アートを通じた、自分にもひとにも優しくなれる“街づくり”の授業でした。

(授業レポート:森口絵梨)